恵庭市にある「北海道文教大学」では、管理栄養士を目指す学生が、子ども達に調理を教える食育教室を開催しています。
その教室にお邪魔させていただき、参加者の方に「食育」についてインタビューをしました。
参加者インタビュー
食育教室に参加していたお子さんのお母さんに聞きました。
袴田さん
食育教室のココがいいね!
ルーキーズの皆さんが作ったお野菜
この教室では、若手農業団体の方(ルーキーズカンパニー)が来てくれて、食材を提供してくれているんです。地元で取れる新鮮な野菜を食べられるのっていいですよ。
食への興味
学校でも調理実習をすることで、料理を作ることが楽しくなったようで、家でもお手伝いをしてくれるようになりましたよ。作って食べるのが楽しいんでしょうね。
食べることって、一番健康に関わってくることなので、このような教室を通して食に興味を持ってくれるのはいいですよね。
子どもだけの教室
親子クッキングじゃない完全に子どもだけでの教室なのがいいですね。
親子クッキングだと、手伝ってしまったり、手際が悪くてもどかしいと「これはお母さんがやるから、こっちの簡単なほうやって」、とか言って取り上げちゃうじゃないですか。自分でやってみるって大切ですよね。親もぐっとこらえて見守ることが大事ですよね。
自分で作ることで食べられる
野菜がうまく取れなくって栄養のバランスをとるのって難しいなーと思うのですが、子どもも、自分が切ったものなら食べてくれるので、お手伝いしてくれるようになって、野菜はたくさん食べてくれるようになりましたよ。
基本が身につく
お料理をするとき、慣れてくると目分量で作ったりしますけど、子どもに味付けを聞かれたとき、教えてあげられないですよね。
計量スプーンをすりきるのを見ていて、そういえば家では計量器で測ったりはさせていないなとちょっと反省しました。
後日談
お料理教室に参加してから、習ったもの以外でも、いろいろなものを作ってくれましたよ。韓国料理のチヂミとか、トッポギとか。やっぱり動機付けって大切ですよね。それに、おいしいよってほめると、もっとやる気になってくれますね。
若手農業者インタビュー
食育教室の協賛団体のルーキーズカンパニーの方たちに聞きました。
ルーキーズカンパニー
(恵庭市と近郊の若手農業者の集まり)協賛のきっかけは?
地元のものを食べて欲しいと思って、平成20年から毎年、この食育教室に食材の提供をしています。
僕たちががんばって作ったものをおいしそうに食べてくれるってイイですよね。
心がけていることは?
この食育教室では、提供している食材にちなんだクイズを行っており、野菜に興味を持ってもらいたいと思っています。
今回はトマトとアスパラを提供しているので、アスパラが大きくなったらどんな姿になる?とか、トマトってどんな野菜の仲間?など、面白く知ってもらえたらと思います。
ぼくたちが、「がんばって作っているんだよ」、ということを子どもたちに伝えていきたいですね。子どもたちに教えることによって逆に自分たちも勉強になりますよ。
ルーキーズってなに?
ルーキーズカンパニーは、恵庭とその近郊(千歳・北広島)の、若手農業後継者の集まりです。平成25年に設立20周年を祝いました。
スタート時の「自由で誰からの援助も受けずに自分たちでやりたいことをやる!」という、先輩たちが立てた設立時のモットーを引き継いでいきたいと思っています。
最後に一言!
農業にたずさわるものとして食(職)には自信があります。
家で採れたてのものを食べる。小さい頃からそれが当たり前で育っていますからね。この地区は、(札幌という大消費地が近いこともあり)農家の後継者が多いことも強みだと思います。
北海道文教大学インタビュー
食育教室を実施している北海道文教大学の先生に聞きました。
北海道文教大学
人間科学部健康栄養学科
手嶋先生
なぜ食育教室を始めたの?
地域貢献の一環として、「食育」を推進しています。
「食育」は、すべてのライフステージにわたるものであると考えています。
子どもたちに教えることによって、学生たちも「食」についてあらためて学ぶ事ができます。また、協賛してくれている「ルーキーズカンパニー」の方たちにとっても、子どもたちに接することにより、ともに学ぶ事ができます。これも広い意味での「食育」の一環ですね。
そもそも食育とは?
自分に必要な食べ物を、自分で、正しく、選択・組み合わせをして、食べられるようになること。
生きるうえでの基本で、知育・徳育・体育の基礎となるものですね。
難しく言うと、さまざまな体験をとおして、食に関する知識と、食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践する人を育てること、でしょうか。
教室の特色は?
保護者が、そばについていなくても、児童だけで参加できる食育教室を実施しています。
これが実施できるのは、管理栄養士養成校の強みだと思います。
児童をサポートできる学生ボランティアを各実習台に配置できるので、より良いサポート体制がとれますし、広い実習室や、さまざまな調理器具をそろえることができますから。
こだわりの点は?
あえて「体験型の調理実習」を行う食育教室にこだわるのは、知識として知っているだけでは自分で料理を選択したり、作れるようになったりはしない、「体験」することによって自主的に取り組めるようになる、と考えるからです。
子どもにとっては、多くの食べ物と出会って、味わい、そのおいしさを分かち合うことで、人と人のつながりにも広がっていくことが期待できます。
管理栄養士を目指す学生にとっても、実際に子どもたちに関わることは、サポートすることの難しさや、栄養教育の実践を理解してもらうための貴重な訓練の場となります。 この食育教室は、参加する児童にも、サポートする学生にとっても貴重な体験となるでしょう。
ルーキーズとの連携について
自分たちで作っている野菜やお米を直接届けていただき、教室にも子どもたちと一緒に参加してもらっています。一緒に作ることで、子どもたちになじんで、お互いより受け入れやすくなる効果がありますよ。生産者の顔が見え、消費者の声が聞ける関係づくりの第一歩ですね。
子どもたちの、食べ物やそれを作っている人たちへの感謝の心を育むことにつながっていくことを期待しています。また、地元で取れた野菜を使うことで、より栄養価の高いものを食べることができる、ということを学んで欲しいと思っています。
食育かるたについて
食育の一環として子どもたちに楽しく食について学んでもらえるよう、学生たちが「食育かるた」を、作り恵庭市に寄贈しました。保健センターから貸し出してもらえますのでぜひ活用してくださいね。
北海道文教大学インタビュー
北海道文教大学 食育教室2014 第1回「お弁当を作ろう!」
日時 | 平成26年6月15日(日)10:00-13:00 |
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場所 | 北海道文教大学 1号館 調理実習室 |
対象 | 小学校4・5・6年生 |
主催 | 北海道文教大学 |
後援 | 恵庭市教育委員会 |
協力団体 | ルーキーズカンパニー |